終末期を迎えたクライエントが亡くなったのは前述のブログを作成した翌朝でした。
ターミナルケアの一環としてハンドトリートメントを行ってほしいという要望があり
2月に入る頃に引き受けさせていただくこととなりました。
クライエントとコミュニケーションをとることはほぼ難しく
心のケアとしてはそのご家族のお話を傾聴して
トリートメントの間のひと時を日常から離れていただくという目的もありました。
ご家族がお話をする声がクライエントの心に届くことを願いながら
いろいろなお話を聞かせていただきました。
ベッドサイドにあったグランドキャニオンに佇む家族写真には
ふくよかなクライエントのお元気だった頃の姿があり
アメリカではお買い物はすべて日本語で通したというエピソードなどを聞き
ベッドに横たわる彼女の溌剌とした姿が想像できて微笑ましく思えました。
ターミナルケアではいわゆる最新の医学技術を用いた延命治療を行うのではなく
QOL(Quality of Life)を視点とした緩和医療を行うので
クライエントと関わる時間には限りがあります。
その限られた貴重な時間の一部をわたしのアロマテラピーに使っていただくのですから
一秒一秒を大切に使いと思いこれまで行ってきました。
クライエントのスピリチュアルペインを感じとって
ほんの少しでも心を解放して気持ちが楽になってもらえるように
迷いながらも取り組んでいくことが今のわたしにできる試みなのかもしれません。
そして本当はわたし自身の心を解放したいのかもしれません。
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