2012年2月21日火曜日

死生観


最愛の人を亡くした女性にアロマテラピーをさせていただきました。
昨日帰宅するとベッドで息絶えていたご主人の死について
彼女は淡々とした口調でわたしに話してくれました。


高次脳機能障害を持つ彼女には
まだ夫の死について伏せてあると聞いていたのですが
彼女はまだらながらも夫の死を感じとっていたのでしょう。


淡々とした口調の中から彼女の心の痛みが
ずっしりと伝わってきて
わたしはしばらく言葉を失ってしまいました。


大学で「死生学」という授業があって
仕事の関係で数年前に触れることがあったのですが
そのとき擬似的であれ「死」を感じることで
「生きる」という意味を考えるきっかけになりました。
けれどその意味をわたしはうまく表現できるに至っていません。


仕事を通して「生きること」「死ぬこと」について
考えることが多いのですが
死に逝く人との関わりの中で
いつもこれでよかったのだろうか
という気持ちを拭うことはできません。


昨夜から眠りにつけていない彼女に選んだ精油で
祈るようにトリートメントすること
そして彼女の声を傾聴することくらいしかできないけれど
明日も彼女の心をすこしでも温かくできたらいいなと
ただ想うばかりです。






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